ロシア旅行の誤解
ビザの取得
- まず、ロシアを旅行する際、他の主なヨーロッパ旅行と違う点は、ビザがいることだと思う。ここまでは正しい。ただしこのビザの取得方法のついては脅しめいた説明がなされている本が多く、旅行会社ですらウソの説明(知らないのか、責任逃避)をする。これには少し説明が必要である。
- 旅行会社の説明やガイドブックなどでは次のような説明が多い。
- ロシアビザの取得方法は現地からの招待状を入手するか、観光のホテル手配をしてバウチャーを入手するかどちらかの方法になります。
- つまり簡単に言うと、勝手な自由旅行は許さず、事前に日程・行き先・移動手段を決め、指定された旅行会社で高い代金を支払い、その証明がなければビザは発給しないと言うわけだ。
しかしこれはウソ!
バウチャー旅行とは
- よく以下のような説明がされている本やサイト、旅行会社の説明が多い。
- バウチャーとは、ホテルや現地ガイド、送迎車などの予約を証明するクーポン券のことで、旅行中は確実に現地でサービスを受けるための証明書となります。バウチャーを入手するには、日本にあるロシア旅行を取り扱っている旅行会社にホテルや現地ガイド、送迎車などの手配を依頼し、その予約証明として「バウチャー」(クーポン券)を発行してもらいます。その際、滞在都市・宿泊ホテルも予め決めておく必要がありますし、交通機関の切符なども手配しておかなければなりません。
- 旅行中は滞在する各都市のホテルで、宿泊したことを証明する「外国人滞在登録届」・「外国人到着通知」が必要です。出入国カードやパスポートに直接スタンプが押される場合や半券を渡される場合があります。現在ロシア出国の際、出国管理官にこの半券の提出義務はありませんが、滞在中、街中や空港、駅をパトロール中の警察官に職務質問され、この半券や「滞在登録届」がない場合、どこに宿泊していたかを疑われ、無用のトラブルに巻き込まれる可能性もあり要注意です。ロシアを含む旧ソ連を観光旅行する場合、いつ、どこにいるかを全て証明する書類が必要です。それを証明するために、ホテル宿泊=ホテルの予約証明(バウチャー)、夜行列車・機中泊となるフライト利用=切符もしくは予約証明が必要になるわけです。あくまで旅程はバウチャーに記載された訪問都市と合致していなければなりません。→この説明は嘘とは言わないが、それに近い!
一般的なビザ取得に関する説明
ガイドブックを読んでもこんなありさまなので、旅行会社に電話し聞いてみることにしました。結果は以下の通り散々な結果に!
HISの説明
- インターネットで予約したバウチャーは、ビザで必要とされているバウチャーではなく、HISで予約したホテルじゃないと、ビザ取得に必要なロシアが認めるバウチャーを発行できない。日本人が泊れるホテルは指定されている。航空券もHISで購入しなければ(ホテル予約のみの依頼であれば)ビザ取得手数料は更にアップ(15,000円程度)。
JTBの説明
- 団体旅行しか経験がなく、知識すらない。(いつもビザは外部業者に丸投げか?)
一般的に記載されているビザ取得に必要な書類
- 観光ビザ
- サポートレター及びホテルバウチャー(旅行会社準備)
- パスポート原本(お客様準備)
- 写真一枚(4.5cm×3.5cm) (お客様準備)
- 大使館へのビザ(査証)申請書(お客様準備)
この説明、ウソだらけです!
結局、実際どうなのよ?
-簡単に言うと、以下の2点です。
ロシアビザセンターでビザを取得する。 ⇒パスポートと写真を送るだけ。
航空券やホテルはインターネットで予約する。
つまり、ビザを代行取得してもらう以外は、ビザが必要ないヨーロッパ旅行と同じです。
自分でビザを取得するには、東京や大阪などに住んでいて、かつ平日の午前中に大使館に行けたとしても、上記記載の一般的な説明にもある通り、いろいろ準備する必要があり、事前に予定を決めなければなりません。他の地域に住んでいて、仕事もあるとなれば、いくら自分で取得する気があっても、物理的に無理です。
ロシアビザセンターは、パスポートと写真を用意するだけで、代行取得してくれます。
何の予約をしていなくても、ビザを取ってくれます。
大体の行き先(都市)を申込時に申告するだけで終わり。
信じれないかもしれませんが、これが現実です。
-列車や飛行機での国内移動も可能だし、自由旅行ができないっていうのも大げさ。バックパッカーならいざ知らず、短期の旅行なら普通にインターネットでホテルを予約して出かけるだけです。ねっ?本や旅行会社の説明って嘘と言っても過言じゃないでしょ?
-嘘ガイドだと出入国日を決めてビザを取得するようですが、私の場合は、念のため観光ビザの最大有効期間 30 日間でビザを取得してもらい、結果9日間で帰ってきました。当然ながら何も言われませんでしたが、ひどいガイドブックだと、このような取り方すらダメだと書いてある本やサイトもあります。
–例えばこんなひどい説明
—ロシア旅行は以前に比べ自由になったとはいえますが、「ぶらり自由旅」というわけにはいかないのが実状です。観光ビザは、申請した入国予定日から出国予定日までの期間分しか発給されません。またビザ取得の際に申請しなかった都市への訪問は身分証明書の提示を求められた際、トラブルの原因となります。他の国のビザにように「1ヶ月有効期間内であれば、どのように旅行をしてもOK」というわけではありませんので、ご注意を!(うぁ~嘘ばっか!)
飛行機の予約
-ステップ1
–価格が比較できるサイトで希望日の相場と安い便を把握する
-ステップ2
–およその安い便が把握できたら、その航空会社のサイトで直接予約する。以下の5社で大体間に合うと思います。
TRANSAEROは経営破綻したため「http://transaero.us/en/」のサイトはなくなりました。
ルーブルへの両替
–ルーブルへの両替は日本でしてはいけません。(レートが悪すぎる)
-よく「ロシアでは日本円からルーブルに両替できるところが少ないため、一旦ドルかユーロに両替してから持って行け」なんて書いてあるガイドブックが散見されますが、ロシアの空港でも日本の空港よりよっぽど良いレートで日本円から両替できます。確かにドルやユーロからルーブルに両替する方がレートが良いですが、持っていない通貨をわざわざ両替してまで持っていく必要があるのか疑問です。(二重に両替手数料を支払っている)
-日本円からドルやユーロに両替した手持ちがあれば、持っていっても良いかと思います。二重両替になっても得するレートを表示しているところもありますが、本当に得するか微妙です。
-一般的に空港の方が市内の銀行よりも両替レートが高いことが多いですが、ロシアの場合は、あまり変わりません。急いで日本で日本円から両替するぐらいなら、ロシアの空港で両替してください。
-両替の都度、交換レート以外にコミッション(手数料)を請求する国(銀行)での少額両替はお勧めできませんが、ロシアは日本の銀行のように交換レートに手数料が全て含まれており、必要なだけまめに両替することも可能です。(ただし、めんどくさいですが・・・)
コミッションは計算表が出てくるまで金額が分からず、不明瞭会計ですよね。同じユーロでも確かベルギーのING銀行では取られなかったが、オーストリア銀行では取られたと思う。
言語について
全くロシア語を勉強したことがない方へ
-次のサイトで音声を勉強しましょう。数字の0~10ぐらいは覚えておいた方が良いです。
ロシア語トラベル会話100「http://russian-kaiwa.com/」はサイトがなくなりました。ロシア人が発音する際の口の動きがわかる良いサイトだったのですが・・・
英語について
-ロシアでは英語が通じないなんて書いてあるガイドブックが多く散見されますが、日本人の方がよっぽど喋れないやつが多いと思います。日本人の方が反省すべき!
-英語がある程度喋れる方なら、コミュニケーションは結構とれますよ。
トイレ
男女の区別
特に女性用トイレに注意してください。英語のアルファベットではなく、キリル文字なので・・・。私、思いっきり間違えました。まさかこの看板がトイレの男女を示しているとは思いませんでした。一般的な人形マークで表示されているトイレもありますが、結構このマークで表示されているトイレがあります。覚えるべし!
モスクワ
空港
モスクワの空港は主に4つ。中心街を時計の短針に例えると11時にシェレメチェヴォ国際空港、5時にドモジェドヴォ国際空港、8時にヴヌコヴォ空港、4時にヴィコヴォ空港っていうとこでしょうか。
–仁川(インチョン)から飛ぶ大韓航空はここのターミナルDに到着。
–アエロフロート・ロシア航空もここに到着。
–日本航空はここに到着
–日本からの直行便はなし。UTairなどでサンクトペテルブルクに移動する際に利用。
- ヴィコヴォ空港
–日本からの直行便はなし。4つの空港の中で唯一アエロエクスプレスが乗り入れしておらず、まず使わない空港。
空港からのアクセス
-空港からモスクワ中心街までの直行便として高速鉄道アエロエクスプレスがありますが、結局は地下鉄に乗り換えてホテルまで行かなければなりません。さらに安く行くためには、バスやマルシュルートカで地下鉄駅まで行く方法もありますが、何れにしても、ほとんどの方がホテルに行く場合、2種類の交通手段を利用することになると思います。しかし移動はそんなに難しくありません。(高速鉄道と言っても遅いです)「不慣れな人は日本でタクシーを予約しろ(1万円程度)」なんて他人事のように書いてあるガイドブックも多く散見されますが、私には無駄な投資としか思えず、お勧めできません。
-シェレメチェヴォ国際空港の場合のお勧めは「アエロエクスプレス+地下鉄」だと思います。空港ターミナルから出る必要がなく鉄道に乗れます。(私は一旦外に出てしまい大変でした)
–ポイント
—出発前に「アエロエクスプレス」の切符(往復切符もあり)を、インターネットの英語サイトで購入(クレジット決済)する。
—ロシア語と英語が併記されている地下鉄マップを印刷し、出発時に持っていく。
—到着ロビーから出発ロビー(3階)に上がり、アエロエクスプレスの駅に行く。
私は間違って到着ロビーの1階から一旦外に出てしまったため、大回りはするわ、再度空港ターミナルに入る時には、また荷物のセキュリティチェックを受けるし、便利さが半減。3階がポイントです。
アエロエクスプレス
-乗換地図
–from Sheremetyevo International Airport to Moscow,Belorussky Rail Terminal
–from Domodedovo Moscow Airport to Moscow,Paveletsky Rail Terminal
–from Vnukovo International Airport to Moscow,Kievsky Rail Terminal
-写真はシェレメチェヴォ国際空港の駅です。
メトロ
-ネット上にはいろいろな地下鉄路線図がありますが、空港との位置関係も表示されている下記路線図がお勧めです。
–英語版はこちら
地下鉄路線図(英語版)
–「地下鉄+バス」もしくは「地下鉄+マルシュルートカ」で移動する方はこちら
「地下鉄+バス」・「地下鉄+マルシュルートカ」
観光バス
-毎度お馴染みの乗り降り自由な2階建てバス。今回に限っては私は利用しませんでした。
サンクトペテルブルク
空港
-空港はプールコヴォ1空港(国内線)とプールコヴォ2空港(国際線)に分かれていますが、市内に向かうバスも違い、単なるターミナルの違いではなく、別の空港と思ってください。
-モスクワをはじめ、ロシア各地の国内線、成田からアエロフロート・ロシア航空あるいは日本航空を利用し、モスクワ乗り継ぎでサンクトペテルブルクに行く場合は第一ターミナル(プールコヴォ1空港)、成田からのトランスアエロ航空、ソウルからの大韓航空(夏期スケジュールのみ)で行く場合は第二ターミナル(プールコヴォ2空港)に到着します。
空港からのアクセス
-バスやマルシュルートカ(ミニバン)で地下鉄2号線「モスコフスカヤ駅」まで行きます。
-一見、めんどくさそうですが、空港も小さいため、空港を出たらそこがバス停。わかりやすいです。
-バスもマルシュルートカも値段はあまり変わらないので直接駅に向かうマルシュルートカの方をお勧めします。
-マルシュルートカを利用する場合、大きい荷物は別料金と書いてあるガイドブックがありますが、スーツケースを持ち込んでも、別料金は取られませんでした。
–プールコヴォ1空港(国内線)
—バス(モスコフスカヤ駅前)39、39Э
—マルシュルートカ(モスコフスカヤ駅前)K39
–プールコヴォ2空港(国際線)
—バス(モスコフスカヤ駅前)13
—マルシュルートカ(モスコフスカヤ駅前)K13
—マルシュルートカ(モスコフスカヤ駅経由、センナヤ・プローシャチ駅)K3
-バスやマルシュルートカの写真
–地下鉄2号線「モスコフスカヤ駅」から空港への時刻表
–地下鉄2号線「モスコフスカヤ駅」バス停付近
–マルシュルートカ(プールコヴォ1空港)
–バス(プールコヴォ1空港)
エルミタージュ美術館
-私みたいに芸術に興味のない人間が、ちょっと時間が余ったので、エルミタージュ美術館でも・・・。考えが甘いです。ツアーでは数時間の観光が一般的とのことですが間違いなく消化不良です。その点個人旅行では時間に制約がないですが、行きたい方は割り切って最低1日は必要だと思います。
-外国人はロシア人と入場料の価格が全然違います。長い列に並んで入場人数の制限がある中、ロシア人と一緒に列に並び、建物の中でチケットを買うのは時間の無駄です。何の列かわからず一緒に並んでいた自分が馬鹿でした。チケットを持っている人は専用の列で建物の中に早く入れます。チケットは外の自販機で購入し、一気に専用レーンで建物の中に入りましょう。
-写真はエルミタージュ美術館の解説に関係するものです。
便利なサイト
-モスクワ~サンクトペテルブルク間を移動する際に利用する超特急列車「サプサン号」に乗るためには公式サイトからの予約が一番安いと思います。しかしながら、公式サイトからの予約は可能で、最終画面までは行くのですが、何故か最後のクレジット決済でエラーとなり、購入できませんでした。(銀行系カードのほか、いろいろ試しましたが・・・)
-クレジット会社に聞きましたが、原因はわからず。イタリア鉄道のネット予約でも同様の問い合わせがあったとのことですが、私の場合イタリアは出来ました。
ロシアンレイル ・・・販売価格は高いです